相続できる財産
相続人は、被相続人の相続財産について、被相続人の財産に属した一切の権利義務を含む資産も負債もすべて相続する権利があります。
但し、財産のなかには相続財産に該当しないものもありますので注意が必要です。
相続財産の代表的なもの
- 土地、建物など不動産の所有権
- 家財道具、自動車、貴金属、現金、預貯金など動産の所有権
- 土地や建物の賃借権、賃金、賃借債権、売掛金、株式などの債権
- 特許権、商標権、意匠権、著作権などの無体財産権
- 契約上の地位
- 借金、未払金、買掛金、損害賠償の支払いなどの債務
相続財産ではない代表的なもの
- 身元保証など保障額に期間や制限のない保証債務
- 生命保険金請求権
- 死亡退職金
- 香典
尚、生命保険金、死亡退職金など本来は相続財産ではないものでも、経済的効果が認められるものについては、「みなし財産」として相続税が課税されますので注意が必要です。
相続人調査と財産調査
相続人調査
相続人を確定するためには、亡くなった方(被相続人)が生まれた時から亡くなるまでの戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本等を取得することから始まります。
これに、被相続人の子などの戸籍も集め、法律上相続人であるのは誰なのかを確定する作業です。
戸籍謄本は、結婚・離婚・転籍・改製などから、多い人ですと10通以上になることもあります。
戸籍謄本は、本籍地の役所の戸籍窓口に直接請求するか郵送で請求することで取得できます。
相続財産調査 (現存・現況調査)
遺言書や財産一覧などがあればそれにこしたことはないのですが、たとえ夫婦・親子でも個人(故人)の財産を把握するのは難しいものです。
まして、故人が一人暮らしや相続人と同居でなかったなどの場合、調査は容易ではないようです。
手がかりの基本は「紙の精査」です。
- 預貯金などの通帳類(*貸し金庫の有無)
- 不動産の権利書や登記済証
- 固定資産納税通知書
- 投資信託・金融資産等の運用明細書
- 株券・株主総会開催通知や配当の明細書
- 貴金属や骨董品の鑑定書
- 金銭消費貸借契約書
- クレジットカードなどの利用明細
- 日記・スケジュール帳など
これらを探し出すのが最初の難関ではあるのですが・・・
(金庫、仏壇、箪笥、押入れ、食器戸棚、冷蔵庫、床下収納などなど)